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心筋梗塞と狭心症の違いは何ですか?

心筋梗塞と狭心症、どちらも心臓の病気で、強い胸の痛みが特徴です。
しかし、どう違うのでしょう?
心筋梗塞の方が重症のように思われますが、実際のところ、
心筋梗塞と狭心症の違いはどこにあるのでしょうか?

■心筋梗塞と狭心症とは

心臓を動かす筋肉、心筋に血液を供給している冠動脈という血管の
内腔が狭くなり、心筋に十分な血液が流れなくなる病気を
「虚血性心疾患」と呼びます。

この「虚血性心疾患」は2つに大別されます。
それが、心筋梗塞と狭心症です。

まず、心筋に十分な血液が流れなくなるとどうなるのでしょうか?

血液が十分に流れ込んでこないと、栄養と酸素が不足し、
心筋がうまく働けなくなります。

このとき、冠動脈が狭くなっているだけで完全に閉塞(閉じていること)
していない状態が、狭心症です。

冠動脈が閉塞していないので、心筋にわずかでも栄養と酸素が
供給されているため、心筋が壊死してしまうことはありません。

一方、冠動脈が完全にふさがった閉塞の状態にあるのが、
心筋梗塞です。

血管が完全にふさがってしまっているので、心筋に栄養や酸素が届かず、
心筋が壊死してしまいます。


■心筋梗塞と狭心症の違いは何ですか?

上記のように冠動脈が完全にふさがってしまっているかどうか、
つまり心筋が壊死しているかどうかが、違いとなります。

狭心症では心筋が壊死していないため、心筋の傷害は一過性で
可逆性(元の状態に戻る可能性のあること)ですが、
心筋梗塞では、心筋が壊死しているため、心筋の傷害は
不可逆性(もとの状態に戻らないこと)です。

そのため、心筋梗塞は一刻を争う病気といえます。

症状にも違いが見られます。

どちらも胸が締め付けられるような痛みを感じますが、
心筋梗塞の方が圧倒的に痛みが激しく、吐き気や冷や汗も伴います。

また、痛みの持続時間も、狭心症では1〜5分程度の短い時間が多く、
長くても15分以内ですが、心筋梗塞では30分〜数時間続きます。

狭心症の場合は、ニトログリセリンの錠剤を舌の下の部分に置き、
唾液で錠剤を溶かして吸収させる治療法が効きますが、
心筋梗塞では効きません。


■心筋梗塞で心筋が壊死してしまったら、心臓は止まってしまうの?

「心筋が壊死する」と聞くと、「死」という漢字が入っていることもあり、
心臓を動かす筋肉が死んでしまうから、心臓も止まってしまうのでは
ないかと思われる方も多いのですが、直ちに死に結びつくものではありません。

心筋梗塞は心筋が壊死してしまう病気ですが、すべての心筋が
壊死してしまうとは限りません。
また、血液の供給が途絶えた部分の心筋が完全に壊死するには
時間がかかります。

そのため、最も大切なことは、閉塞した冠動脈の血流を回復させ、
閉塞したままにしておけば壊死してしまう心筋を救済することです。

血流の回復には、心臓カテーテルを行います。
一般に、血流の再開通療法は、心筋梗塞の発症から12時間以内に
行なうと、効果が高いとされています。
心筋梗塞の発作が起こったら、救急車を呼び、できるだけ早く
医療機関に罹りましょう。

一方、急性心筋梗塞症で亡くなる方の半数以上が、
発症から1時間以内というデータもあります。

これは、心室細動と呼ばれる不整脈によるものが多いです。
心筋が壊死することにより、心臓が痙攣し、心臓から血液を
送り出すことができなくなってしまいます。

救命曲線というグラフがあるのですが、心臓が止まってから、
時間の経過による蘇生の可能性を示しています。

心停止から蘇生開始までの時間が1分以内なら、
蘇生率は97%と非常に高いですが、開始までに4分経過すると
蘇生率は半分にまで低下してしまいます。
さらに、5分を経過すると蘇生率は1/4となってしまい、
7分以降では、限りなく0%に近くなってしまいます。

つまり、救急隊員が到着するまでの蘇生術が重要になってきます。
それまでの間、心臓マッサージを施せば、蘇生率は飛躍的に
向上します。

もしもの時のために、消防署などが開催する応急処置法を
学んでおくと安心です。

| 2016年01月29日 | 心臓病 | 編集 |
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