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遺伝性乳がん・卵巣がん症候群と遺伝子検査の実際、予防的切除について②

◼︎遺伝性乳がん・卵巣がん症候群と予防的切除について

不幸にして遺伝性乳がん・卵巣がん症候群のリスクが高い
保因者であると診断されても、予防的切除しか
道がないわけではありません。

がんの予防には、がんそのものの発症を予防する一次予防、
発生したがんを早期に発見して治療を行う二次予防、
発生したがんの治療を行う三次予防の3つがあります。

アンジーの行った予防的切除は、これらのカテゴリーからは
外れた予防法となります。

◆乳がんの一次予防

乳がんの発生は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの
分泌過剰と密接な関わりがあります。

エストロゲンは、乳腺組織を刺激して、細胞の増殖を
促進しますが、遺伝子の変異は一定確率で起こりますから、
細胞増殖の回数が増えれば、それだけ変異が蓄積することとなり、
乳がんを発症するリスクが高くなります。

一般的な乳がんでも、妊娠したことのある女性は、
乳がんを発症する割合が低くなりますが、これは、
妊娠中はエストロゲンの分泌が少なくなるためです。
さらに、母乳育児をすることにより、リスクはさらに軽減できます。

この辺りは個人のライフスタイルにも関わる部分ですのが、
保因者は、頭の片隅にでも覚えておいたほうが良い情報でしょう。

さらに、エストロゲンの分泌過剰を引き起こす原因として、
欧米型の食生活、肥満、糖尿病などが知られています。

脂肪の摂取量を抑え、野菜・果物・豆類(特に大豆製品)・
青魚を積極的に摂取し、ウォーキング程度の運動を心がける
ことにより、リスクを減少させることができます。

また、化学的に予防する方法もあります。
エストロゲンの作用を抑える「タモキシフェン」という
薬を服用するという方法です。

ただし、タモキシフェンを服用すると、子宮内膜がんの
発生率が2~3倍増加してしまいます。

メリットとリスクをよく理解した上で、判断するようにしましょう。

タモキシフェンの他にも、骨粗しょう症の薬である「ラロキシフェン」や、
消炎鎮痛剤の「アスピリン」にも予防効果があるとの報告もあります。


◆乳がんのニ次予防

一般の女性は30代から乳がん健診を受けることが望ましいと
されていますが、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の保因者の方は、
若くして乳がんを発症することが多いため、20代から健診を
受けた方が良いでしょう。

乳がんの健診には、自己健診、専門医による乳房健診、
マンモグラフィー、そして乳房超音波検査があります。

ただし、マンモグラフィーは30歳未満ではX線による悪影響が
大きく、発がんリスクが高まるとの報告があります。

また、マンモグラフィーは、乳房の脂肪が少なく乳腺が発達している
若い女性では、がんを見つけにくいという欠点もあるため、
20代のうちは乳房超音波検査を行うと良いでしょう。

日本ではまだあまり普及していませんが、欧米では乳房MRI検査が
有用であるとの報告があります。

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群のかたは


◆卵巣がんの一次予防

卵巣がんの発生には、食生活と妊娠経験が密接に関係しています。

動物性脂肪の大量摂取で卵巣がんのリスクは高まります。
野菜や果物、大豆製品の摂取を心がけましょう。

妊娠経験は、排卵の回数に関わってきます。
排除の度に、卵子は卵巣から排出され、卵巣は傷つき、
修復されます。
この修復される過程で、がんが発生すると考えられています。

妊娠期間中は排卵しないため、その分、卵巣ガンのリスクは
低くなります。

同じ理由で、卵巣がんの化学的予防法としてピル(経口避妊薬)が
利用されます。
ピルには排卵を抑制する働きがあるためです。

卵巣は身体の奥にあり、早期発見が難しく、発見された時には
がんが進行している状態であることが多いです。
また、経過が悪いことも多いです。

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の保因者の方は、できるだけ
卵巣がんの一次予防に心がけていただきたいと思います。


◆卵巣がんのニ次予防

卵巣がんのニ次予防には、内診、経膣超音波検査、
腫瘍マーカー検査があります。

しかし、内診では卵巣がんの早期発見は難しいため、
他の2つが中心となります。

経膣超音波検査は、膣にプローブと呼ばれる細長い機器を挿入し、
超音波で検査をします。

腫瘍マーカー検査は、がんが存在すると血液中に増加する物質を
マーカー(目印)として、がんを診断する方法です。

卵巣がんを早期発見するためには、経膣超音波検査と
腫瘍マーカー検査を6ヶ月ごとに行うのが望ましいでしょう。


◆乳がんの予防的切除

乳がんは乳腺細胞から発生するため、予防的に切除する場合は、
乳腺が残る可能性のある皮下乳腺切除術よりも、
乳房全摘術を行った方が、乳がんのリスクは低下します。

アンジーが行ったのも乳房全摘術でした。

現在は、乳房再建手術の質も高まっています。

とはいえ、病気になっていない健康な臓器を切除することに関しては、
賛否両論あるのが現実です。

しかし、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の方が乳がんに罹った場合、
数年以内に反対側も乳がんにかかる確率が高いことから、
該当する方は、予防的切除を積極的に考えても良いかもしれません。


◆卵巣の予防的切除

卵巣は生殖に関わることから、予防的切除は家族計画が終了してから
行う必要があります。

しかし、卵巣がんは発見が難しく、経過が悪いことが多いガンです。
予防的に卵巣を切除することによるリスク減少は、80%とも
言われており、さらに遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の保因者の方に
とっては、卵巣摘出により、乳がんの発生リスクも低下すると
されています。

これは、卵巣がエストロゲンを分泌する臓器であるためですが、
逆に言えば卵巣摘出によりエストロゲンが分泌されなくなるため、
閉経前の女性にとっては、更年期の様な症状が現れてしまいます。

さらに、卵巣摘出手術を受けた方には、1年〜20数年後に
腹膜がんが発生することがあります。

卵巣摘出が腹膜ガンの発生にどのように関わっているのかは
まだ明らかになっていませんが、このようなリスクもあることを
十分に検討することが必要です。


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